輪島漆再生プロジェクト実行委員会

2020.03.22

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輪島漆再生プロジェクト実行委員会

輪島産漆を使って、ものづくりの仕組みを目指したのは2011年度からの事でした。
当非営利団体輪島漆再生プロジェクト実行委員会の代表を務めるのは彦十蒔絵・若宮隆志、塾長は輪島キリモト代表桐本泰一、事務局は富山大学の安嶋是晴です。

>2015年は
「輪島塗の根底を支える木と漆を学ぶ」と銘打って実施した輪島うるし塾第一回。今回は石川県農林総合センターの小谷二郎さんを講師にお招きして漆(ウルシ)の特性や歴史、育成方法などを学びました。座学の後、植栽現場に移動し、実際に漆の木を目の前にして実態について理解を深めました。

第2回輪島うるし塾は前回に引き続き石川県農林総合研究センターの小谷二郎さんを迎え「木地」を学びました。木地生産の歴史的な経緯や樹木生育の地理的な特徴、漆器生産に関わる木材の特質など、普段聞くことのできない有意義な講義でした。視察先は材木商の谷内さんの木地置場。曲物木地師の蔵田さんの解説で、木地についての理解を深めました。

第3回輪島うるし塾は金沢美術工芸大学の山崎剛先生をお迎えして「下地」を学びました。下地技法の歴史的変遷の説明後、螺鈿(らでん)と下地層との関係をスライドを用いてわかりやすく解説いただきました。

第4回輪島うるし塾は「漆の現在と未来ー輪島産漆どうするー」。国産漆の生産を担う奥久慈漆生産組合長の神長正則さんと国産漆の普及啓発を担うNPO法人壱木呂の会理事長の本間幸夫さんをお招きし、これまでの取り組みと意義を詳細に説明いただきました。

>2016年は
「輪島市門前町飯川谷(いがわだに)でウルシ苗木の植栽」、「漆掻き見学会」、「ウルシ染め講習会」、「寒グロメ見学会」、他講演会などを実施しました。


>2017年度からは
輪島市内の漆器業者、漆器組合、行政、大学が連携する体制になりました。

2017年3月には
能登森林組合門前工場で植栽セミナーを実施。石川県農林総合研究センターの小谷さんを講師にお招きし「萌芽更新によるウルシの再生方法」というタイトルでご講義いただきました。講義の後、輪島市縄又の萌芽更新の現場も視察。

2017年はこれまでのプロジェクトの集大成である「輪島産材による輪島塗が完成しました」
→輪島産漆をみんなでクロメして、制作希望者が各自で実費購入した上、木地も輪島のウルシの木を各自で地元の木工所へ依頼し、輪島塗として仕上げることを実施しました。
木地:輪島のウルシの木
漆:輪島産漆
製作者:輪島市内漆芸従事者


>2018年度は
「輪島クリエイティブデザイン塾」計5回の塾を開きました。
塾長を務める輪島キリモトの桐本泰一氏がリーダーシップを取り、輪島漆を用いたモノづくりを通じて輪島漆器産地の原点を確認すると共に、短期的ではなく長期的な「売れるモノづくり」のスキルを身につけることを目標として「輪島クリエイティブデザイン塾」を開講。
現役デザイナ、デパートのバイヤー担当、先輩方による指導などを受け、
単に作る技術のみならず、デザイン力(生産)、マーケティング力(流通)、コミュニケーション力(販売)などに関わるさまざまな事柄を学びながら、グループワークなども交えることで、中堅と若手が積極的に交流し「競争」と「共創」の創造的な場を産みだしていきます。
この度、塾生の中から13名が輪島漆を活かした作品創りに挑戦。その成果を携えながら東京・伊勢丹新宿店で展示会を実施しました。

2018年10月31日(水)〜11月13日(火)
伊勢丹 木ノ道 漆ノ道
「輪島漆再生プロジェクト」


>2019年度は
伊勢丹新宿店で2回目の「輪島クリエイティブデザイン塾企画展示会」を実施しました。
その他は外部専門家の講演会を多数協力開催致しました。

2020年3月21日は県農林総合研究センター林業試験場の小谷(こだに)二郎副場長(58)を講師に迎え、ウルシの木の植樹、再生方法についてセミナーを開き、ウルシの苗木を市民に無償提供し、ウルシ林の再生に継続的な取り組みを実施しました。
新聞記事のご紹介

彦十蒔絵・若宮隆志が代表を務める非営利団体輪島漆再生プロジェクト実行委員会はFacebook Pageで活動の報告をしています。
漆器づくりはあらゆる視点から取り組む必要性があります、輪島漆再生プロジェクト実行委員会は有志ある方のボランティアで運営しております。
(高 禎蓮)