The establishment of Hikoju Maki-e Do Co., Ltd.

2025.09.08

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株式会社彦十蒔絵道の設立

2024年1月1日に能登を襲った震災で未だ輪島に残る傷跡は深く、復興への道は長いものの、私たち彦十蒔絵は輪島市を離れ金沢市へ工房を移転し、皆様の心強い応援の力のおかげで、前を向いて作品づくりに打ち込んでおります。

2025年2月28日に逝去した彦十蒔絵の創立者若宮隆志の闘病を機に、皆様に育てていただいた彦十蒔絵の未来について考える中、新たな出会いや背中を押してくださる激励の言葉を受けて、2025年1月、若宮隆志と山内財団の山内万丈を共同発起人として、彦十蒔絵は「株式会社彦十蒔絵道」として新たなスタートを踏む運びとなりました。新会社の代表は高禎蓮(Wawa)が務め、若宮家代表として長男の若宮樹も参画。また、山内万丈を取締役に、武本登を副社長、金子周平をCOOに迎え、人材や資本面での強化を行い、より一層作品づくりに向き合うことが出来ます。

ここまで皆様に育てていただいた彦十蒔絵を守りながら、漆の可能性を探究し続け、更に魅力ある漆芸チームへと昇華させていくべく、社一丸となって全力で邁進する所存です。どうぞこれからも彦十蒔絵道を何卒よろしくお願い申しあげます。

令和7年9月8日

株式会社彦十蒔絵道
代表取締役 高禎蓮

 

山内万丈氏挨拶

はじめまして、山内万丈と申します。ご縁があり彦十蒔絵道をご支援させていただくこととなりました。ゲーム屋の倅がなぜ蒔絵なのかと不思議に思われる方もいらっしゃるかも知れません。私は日本が時間をかけて培ってきた美の感性を日本人として誇りに思いながら、どのようにこれらを次代へと残していくかは、現代を生きる私たちの重い宿題であると感じております。この度の彦十蒔絵道は、そのような想いから、ただ彦十を残すのではなく、これからも素晴らしいものを持続的に作り続けていくことを目的として設立したものです。若宮隆志氏と職人達が紡いできた漆の美を引き継いでいく為の一助として微力ですがお力添えをさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

*サムネイル写真は左から若宮隆志、山内万丈、武本登、高禎蓮。闘病中の病室にて撮影したもの。