家庭画報の記事紹介
2022.02.02
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『家庭画報』創刊65周年記念号(March 2022)
雑誌家庭画報65周年家庭画報アートフェア欄で「古美術鐘ヶ江」が取り上げられ、二代目当主鐘ヶ江英夫さんが日本発の美術として超絶技巧作品を新しいジャンルにする取り組みのご紹介してあります。
事務所に届いたこの家庭画報を開いて読んだ時、p.34~35をめくったら「うわ〜、彦十蒔絵が作った鉄瓶鉄錆塗シリーズが・・・・」見開きで紹介されている!!迫力のある掲載に驚いたわーーー
彦十蒔絵の鉄錆塗技術ができたのは2000年初期の頃でした、その後は鐘ヶ江英夫さんのエディションで鉄瓶の鉄錆塗をシリーズ化にしました。
本物の鉄瓶を鐘ヶ江さんからお借りして、それをみながら椀木地職人に鉄瓶のボディー、鈕を作ってもらって、取手部分、蓋、や注ぎ口は木彫職人にお願いして、鉄錆の肌感は蒔絵職人に再現してもらいました。
鉄瓶シリーズのコンセプトは“100年毎の風化”によって朽ちっていく経過の美しさを表現する部分ですので、制作していく度、綺麗に塗った鉄瓶をどんどん古く見せる技術を駆使しました。
衝撃的だったのは最後の一作目!!
鉄錆を作る技術だけの視覚インパクトでは足りなくて、それを超えてボディーまでもボロボロに剥がれた状態を出す為、綺麗に塗った鉄瓶のボディーをドリルやノミなどでグイグイ穴を開けたり、傷をつけたりしてから鉄錆塗を施すことを記憶しています。
この写真が破壊作業をしている時の様子です。
職人さんは「本当に穴を開けますよね〜、やりますよ〜、本当に破壊していきますよ!」
若宮は「はい、どうぞやってください!」
っと職人さんも恐れながら若宮の前のでこの破壊作業を行いました。
私は新しい作品作りはただ綺麗に仕上げるだけでは無いということはこうゆう取り組みによって知りました。
作品の完成イメージはアートディレクターやプロデューサーの頭中にしかありません、描かれた青図を分業制の職人さんへ一つずつ伝えていくのは容易ではありませんが、時間と根気をかけて実現していくものであると思います。
ご紹介いただいた鉄瓶シリーズは2022〜2023年の間日本国内六箇所美術館を巡回展示する予定があります、本物をご覧いただけるチャンスは後日またご案内を致します。